特集 脱水症 体液管理の基礎と実践総まとめ
徹底解説!体液管理と薬物療法の実践ポイントQ&A 統合失調症患者の体液管理で留意すべきことは?
花澤 朋樹
1
,
上條 吉人
1埼玉医科大学病院 臨床中毒センター
キーワード:
Benzodiazepines
,
Dantrolene
,
抗精神病剤
,
神経弛緩薬性悪性症候群
,
危険因子
,
統合失調症
,
体液
,
低ナトリウム血症
,
糖尿病
,
脳浮腫
,
水中毒
,
Dopamine Agonists
,
橋中心髄鞘崩壊症
,
電気けいれん療法
,
心因性多飲症
Keyword:
Benzodiazepines
,
Body Fluids
,
Brain Edema
,
Hyponatremia
,
Neuroleptic Malignant Syndrome
,
Myelinolysis, Central Pontine
,
Dopamine Agonists
,
Dantrolene
,
Electroconvulsive Therapy
,
Diabetes Mellitus
,
Schizophrenia
,
Antipsychotic Agents
,
Water Intoxication
,
Risk Factors
,
Polydipsia, Psychogenic
pp.2970-2975
発行日 2021年8月5日
Published Date 2021/8/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2021295298
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<Key Points>◎非定型抗精神病薬をはじめとする抗精神病薬は糖尿病発症のリスクを高める。◎統合失調症患者が多飲症から水中毒を発症した場合の治療では、低ナトリウム血症が、急性か慢性かの鑑別が非常に重要である。急性であれば脳浮腫に注意し、迅速に血清ナトリウム濃度を補正する。慢性であれば橋中心髄鞘崩壊症に注意し、緩徐に血清ナトリウム濃度を補正する。◎悪性症候群は主として、抗精神病薬の開始後あるいは増量後の初期に生じる重篤で致死的な副作用であり、早期の診断と治療が求められる。また、抗パーキンソン病薬の突然の中止も原因となる。◎悪性症候群の治療は、原因薬剤の中止(抗パーキンソン病薬の中止が原因であれば再開)、全身管理、ダントロレン・ドパミン作動薬(ブロモクリプチンなど)・ベンゾジアゼピン系薬物による薬物療法、電気けいれん療法である。◎悪性症候群の改善後は、少なくとも2週間は抗精神病薬の投与を控える。
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