特集 特発性肺線維症 診断・治療の最前線と患者支援の実践ポイント
特発性肺線維症治療薬の考え方と使い方 ニンテダニブ
河村 哲治
1
1国立病院機構姫路医療センター 臨床研究部
キーワード:
線維芽細胞増殖因子
,
血小板由来増殖因子
,
シグナルトランスダクション
,
投薬計画
,
肺活量
,
臨床試験
,
治療成績
,
Vascular Endothelial Growth Factor A
,
肺線維症-特発性
,
Nintedanib
,
胸部CT
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Signal Transduction
,
Drug Administration Schedule
,
Fibroblast Growth Factors
,
Vital Capacity
,
Treatment Outcome
,
Platelet-Derived Growth Factor
,
Vascular Endothelial Growth Factor A
,
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
,
Nintedanib
pp.468-472
発行日 2020年3月5日
Published Date 2020/3/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2020163945
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<Key Points>◎ニンテダニブは、血小板由来増殖因子、線維芽細胞増殖因子、血管内皮増殖因子に対するチロシンキナーゼ阻害薬で、これらの増殖因子が関与する線維芽細胞の増殖・遊走・形質転換のシグナル伝達を阻害することにより肺線維化の進行抑制を示す。◎INPULSIS試験においてニンテダニブは努力肺活量(FVC)年間減少率(mL/年)を抑制し、その有効性が証明された。◎その後のサブグループ解析や長期投与試験の解析により、患者背景や重症度に関わらず有効性が示され、日本人での安全性も確認された。◎特発性肺線維症と診断すれば、その疾患挙動を評価した上でできるだけ早期にニンテダニブ投与を開始するのが望ましい。◎ニンテダニブの効果を評価することは困難であるが、定期的な肺機能検査や画像検査を行いながら、患者への丁寧な説明を心がけるべきである。
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