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委員会報告
研究倫理審査委員会活動報告—日本老年看護学会による研究倫理審査の整備
Research Ethics Review Committee
三重野 英子
1
,
堀内 ふき
2
,
綿貫 成明
3
Eiko Mieno
1
,
Fuki Horiuchi
2
,
Shigeaki Watanuki
3
1大分大学
2佐久大学
3国立看護大学校
1Oita University
2Saku University
3National College of Nursing, Japan
pp.84-87
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
1.はじめに
人を対象とする看護学を含む医学系研究を実施するには,研究対象者の尊厳や人権を尊重した科学的合理性が明確な研究内容であるか,研究倫理審査を受け承認を得ることが前提となっている.本学会が作成した「日本老年看護学会研究倫理ガイドライン」においても,「人および動物を対象とする研究データの収集にあたっては,大学等の所属機関,もしくは調査データ収集先の機関において,原則として研究倫理審査を受け,承認を得てから開始するものとする.(略)」とし,研究倫理審査機関での審査を経て研究を開始することが求められている.しかしながら,近年,学会員が2,000人を超え,大学・研究機関の教育・研究者のみならず,在宅,施設,病院・診療所等の看護実践者が増加しており,なかには,所属施設に研究倫理審査機関が設置されておらず,研究に取り組みたくても取り組めない環境にある学会員も増えていると推察される.また,本学会の各種委員会活動の一環で研究・調査を実施する場合,テーマによっては委員の所属大学・施設で研究倫理審査を受けることが難しく,委員会の研究的活動が滞る状況も生じてきた.
そこで,理事会では,研究倫理審査委員会を設置し,学会員が取り組もうとする研究が倫理的,科学的に適正であるかを審査する体制・仕組みを整備する方針を決定し,2017年より具体的な検討を重ねた.2018年5月の社員総会での説明・意見聴取を経て,委員会規程および各種書式を整え,2018年12月2日理事会において承認された.本稿では,本委員会規程に基づき,研究倫理審査の目的,対象,審査の流れ等を説明する.
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