老年看護学の研究者として「査読を引き受ける」ということ

Undertaking Review as a Researcher of Gerontological Nursing

　日本老年看護学会誌『老年看護学』は1996年に創刊され，これまでの約20年間，老年看護学の進歩発展および実践の質向上につながる多くの論文が社会に向けて公開・発信されてきた．この学会誌の編集・発行のみならず，査読方針とそのプロセスについての議論を重ねながら掲載論文の質を高めていくことに貢献されてきた編集委員会に敬意を表したい．また，第1回査読者賞をいただいたこと，この受賞に関連して第21回学術集会での編集委員会企画拡大編集委員会における講演ならびに本学会誌への執筆の機会をいただいたことに，厚くお礼申し上げる．本稿では，『老年看護学』への投稿論文の査読に対する筆者の心構えや，自分なりに改善しながら組み立ててきた査読のプロセスについて述べることとする．査読を担当される学会員のみなさまの一助になれば幸いである．