特集 査読者の視点を学ぶ─質的研究論文のための査読セミナーから
査読を経て論文はどう変わるか
[模擬査読において得られたことと査読をめぐって考えること・1]
査読者と投稿者の共通言語としての査読ガイドライン
福田 美和子
1
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
pp.29-31
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201470
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はじめに
今回,私は質的研究論文の査読セミナーに参加する機会を得た。このセミナーは,企画者の萱間真美先生を中心に開発されている質的研究論文の査読ガイドラインについて,グループワークを通じて意見交換しながら,査読の質の向上をめざすものであった。グループワークでは,グレッグ美鈴先生が投稿された査読前の論文に対する模擬査読が,事前課題として各参加者に与えられており,その各自の査読結果をもとに議論がかわされた。投稿者がグレッグ先生であったことは,セミナーの最後に明かされ,きっとどの参加者も,驚きとともに,複雑な気持ちを抱いたことだろう。査読の過程は投稿者と査読者との間でなされるため,公開されることはまずない。査読を受ける前の論文を,模擬査読のために提供してくださったことで,模擬査読者の一人として貴重な体験をさせていただいた。改めて,グレッグ先生に深く感謝申し上げるとともに,ここでは,このセミナーに参加して考えたことを述べたい。
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