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日本老年看護学会第21回学術集会特集 シンポジウム2 さまざまな高齢者の看取りの場における多職種連携;マネジメントの実際と看護の役割
多職種で支えあう看取り介護
End of Life Care with Interprofessional Work Support Each Other
関口 敬子
1
Keiko Sekiguchi
1
1社会福祉法人えがりて吹上苑
1Egarite of Social Welfare Corporation Special Care Nursing Home Fukiageen
pp.25-28
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
1.はじめに
2000年ごろの特養では,入居者は体調が悪くなると病院に搬送され,ほとんどの方は長期入院になり,特養には戻れず亡くなっていた.介護職員は「入居者の暮らしを長く支えてきても,具合が悪くなれば病院へ連れて行かれ,結局最期まで病院」というやりきれない気持ちを抱えていた.看護職員は「訪問看護が在宅の高齢者の看取りをしているように,特養もホームという名前がついているのだから在宅と同じ,せっかく特養に入居したのだから,最期まで看てあげたい」と熱い思いを抱いていた.介護と看護,双方の思いが一致し,以来15年間,多職種が連携・協働し,特養での尊厳を保持した看取り介護に取り組んできた.
吹上苑の看取り介護は,2001年に開始し2008年以降,入居者の90%以上を看取るようになり,吹上苑三大高齢者ケアのひとつに位置づけられている.入居者の平均年齢は88〜89歳,女性が85%,平均介護度4.1〜4.2,亡くなった入居者の死亡診断名の約70%が老衰であった.社会福祉法人として地域に貢献するため,民生委員や自治会長等の依頼により入居された独居高齢者のなかには親族が遠方かつ高齢で社会福祉協議会の安心サポートや成年後見制度を活用し特養で暮らしていた入居者の看取りや,まったく身寄りがない入居者の看取りもある.また時には地域包括支援センターから依頼された身寄りのない高齢者を併設ショートステイで看取ることもある.以下に吹上苑での看取り介護の取り組みを7つの項目にまとめた.
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