Japanese
English
- 販売していません
- Abstract 文献概要
はじめに
基本的ケアとは,起きる・食べる・排泄する・清潔にする・アクティビティの5つがあげられる.
起きる…覚醒刺激となり寝かせきりの予防になる.人間らしさの基本である.
食べる…経口からの摂取は生きることの基本で,栄養補給や脱水予防になる.
排泄 …尊厳を保つため,トイレ誘導と随時のおむつ交換を適切に行う.
清潔 …皮膚の状態を観察し清潔を保持することで快適さにつながる.
アクティビティ…良い刺激をして,その人らしさを引き出す.
実際の在宅でのケアはというと,介護力不足で起こせずに寝かせきりとなり,覚醒刺激も少ないため,時に人間らしさに欠けてしまうことがあるかもしれない.嚥下障害があり食べさせられないと,経口摂取はすぐに断念し胃瘻栄養に移行する傾向になっているように思われる.排泄に関しては介護がたいへんで適切なトイレ誘導やおむつ交換は難しく,また,入院中からカテーテルが留置されていることもある.清潔に関しても,自宅での入浴は難しいからとベッド上での清拭などが多い.アクティビティに関しても,介護力不足からベッド上でじっとしていることのほうが多いと思われる.
もちろん,家族だけでは介護力不足に陥ってしまうので,介護保険制度によって介護の社会化がはかられ,始まってからはケアマネジャーのケアプランにより,その人らしく生活するための支援としてのサービスを利用できるようになった.しかし一方,医療依存度が高い方や難病など障害の程度が重い方は置き去りにされやすい.このような利用者を,看護としてどう支えていくかを実践しているのが,私たち『きらくな家』の特徴である.
きらくな家は,「自宅で暮らしたいのに,病気や身体が不自由なためにいろいろたいへん」という方々を応援したいと望む看護師などが集まり,包括ケア(看護)を自らが進んで提供したいという心根を共有している.
Copyright © 2011, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.