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日本老年看護学会第15回学術集会特集 シンポジウム
高齢者の強み・健やかさを生かすケアの取り組み─介護予防から天寿の看取りまで
Approach to Care Taking into Account the Strength of the Elderly:From Preventive Care to Terminal Care
佐藤 由美
1
,
小川 妙子
2
1群馬大学
2群馬県立県民健康科学大学
pp.16-17
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
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- Abstract 文献概要
学会のメインテーマ「超高齢社会の老いと看護─新たな発見と創造に向けて─」を受けて,シンポジウムのテーマを「高齢者の強み・健やかさを生かすケアの取り組み─介護予防から天寿の看取りまで─」とした.強み・健やかさを生かすケアとは,高齢者のケアマネジメントで提案されているストレングスモデルからきている.ストレングスの視点では,その人が抱える病気や障害,問題よりもその人がもつ強み,興味,能力に目を向け,それらをエンパワーしながら自立支援につなげていくもので,老年看護の視点にも適用できると考えたからである.そこで,予防から看取りまでの各段階や場において,高齢者の持てる力を引き出し強みを生かした看護職ならではの実践を行い,効果を上げている4名をシンポジストに迎えて,その先駆的な実践を共有しながら,これからの看護のアプローチについて意見交換することとした.
1人目のシンポジストである群馬県前橋市の保健師の塚越弥生氏には,介護予防サポーターの育成と協働を通した高齢者ケアについて報告いただいた.2000年に創設された介護保険制度は,介護サービス利用者,特に要介護度が軽度のサービス利用者が増加していることから,2005年の改正において,要介護状態になるのを予防する予防重視型システムへの転換が図られた.前橋市では,介護予防事業において,高齢者の持てる力を地域の介護予防のために発揮してもらうためのしかけとして介護予防サポーターの活動を位置づけた.それにより,地域の中でサポーターである高齢者と支援を受ける高齢者双方の活力を高めることができているという報告であった.
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