Japanese
English
研究ノート
尿意を訴えない介護老人保健施設入所高齢者に対する尿意確認に基づく排尿援助の効果
Efficacy of Urination Assistance Based on Confirmation of the Desire to Void in a Health Care Service Facility Residents Who Express No Desire to Void
形上 五月
1
,
陶山 啓子
1
,
小岡 亜希子
1
,
藤井 晶子
2
Satsuki Katagami
1
,
Keiko Suyama
1
,
Akiko Kooka
1
,
Akiko Fujii
2
1愛媛大学大学院医学系研究科
2京都大学医学部附属病院
1Ehime University Graduate School of Medicine
2Kyoto University Hospital
キーワード:
尿意
,
尿失禁
,
膀胱機能
,
排尿自覚刺激行動療法
,
排尿援助
,
desire to void
,
urinary incontinence
,
bladder function
,
prompted voiding : PV
,
urination assistance
Keyword:
尿意
,
尿失禁
,
膀胱機能
,
排尿自覚刺激行動療法
,
排尿援助
,
desire to void
,
urinary incontinence
,
bladder function
,
prompted voiding : PV
,
urination assistance
pp.13-20
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的は,尿意の訴えがなく失禁している介護老人保健施設入所者の中で膀胱機能が維持されている高齢者を対象として,尿意を定期的に確認し対象者の尿意の訴えに基づいたトイレ誘導を実施し,その効果を明らかにすることである.
対象者は9名であった.実施期間は4週間とし,午前8時の排泄後から午後4時までの8時間に排尿援助を行った.事前に把握した対象者それぞれの排尿間隔を参考に排尿誘導時間を設定し,誘導時間には必ず対象者に尿意を問いかけた.実施前7日間,実施後7日間の失禁率と尿意を訴えた回数の変化で効果を評価した.
尿失禁率は実施前後において有意に低下,確実に尿意を訴えた回数は有意に増加した.
対象者のうち2名は,自発的に尿意を訴えることができるようになり,失禁は消失した.また,5名の対象者は,援助者の尿意の確認に対して尿意の有無が伝えられるようになり,失禁は減少した.
以上のことより,尿意を訴えない施設高齢者であっても援助者が尿意を確認することで,自発的な尿意の表出が促進され,尿意に基づいた排尿援助を実施できる可能性が示唆された.
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