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遊走腎と尿意頻數に就いて
淸水 圭三
1
,
吉川 康史
1
1名古屋大學醫學部泌尿器科教室
pp.517-520
発行日 1953年9月1日
Published Date 1953/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201031
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緒言
遊走腎に就いては歐米では1497年始めて文献に現われて以來,その記録は無數で千を以て數える程である。Hahnが1881年腎固定術を行つて以來その研究は進み,Mooreに依れば1902年アメリカ泌尿器科學會の第1回にfor indication and ne-phropexyが問題となり,50年後の今日再び取り擧げられて多大の關心を惹起している樣である。
私は昭和8年以來此の問題に注目し,立位腎盂像の變化が著しい事を昭和11年1月名古屋地方會で報告した。再び戰後此の問題を採りあげて立位腎盂像の變化が著明で,泌尿器科醫の等閑に附することの出來ない事を屡々報告したが,遊走腎の尿意頻數は專門醫の間にも見逃されている樣に思われるので,此處には亦尿意頻數との關係に就いて少しく述べ諸家の御參考に供し,御批判を得た.いと思う次第である。
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