研究・教育活動推進委員会:平成17年度ワークショップ報告
分科会「看護実践の場」意見交換の報告
小西 美智子
1
,
小野 幸子
1
1研究・教育活動推進委員会
pp.117
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
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- 文献概要
話題提供していただいた2人の者が勤務している医療機関における入院患者への面会方法が異なっており,一方は本人および家族の了解がなければいかなる者も面会できないという方法をとっており,一方は24時間いつでも面会できる体制がとられていた.非常に対照的であったことから患者への面会方法と個人情報保護の問題が討議された.患者が高齢であることから,認知症を発症していたりまたは身体に麻痺等があり,日常生活に介助を受けている場合,面会を自由にすると,他の患者の面会に来た者の中に,近隣者や知人がいた場合に,入院患者の状況を知られてしまうのは問題であることから,面会は厳重管理する必要があるという意見があった.一方あまり厳重に管理すると,場合によっては入院患者の交友関係を阻害したり,または遠くにいる家族が面会することが不可能になり,家族全体で患者の状況を理解することが困難になる危険はないかという意見があった.また近隣者が病気によって心身に障害が生じ治療のために入院していることを問題視するような者がいないように,地域全体で高齢者の生活を支援するという教育や指導が必要であり,そのために入院患者を地域の人々から遠ざけるのは問題であるという意見があった.また基本的に不必要な面会によって患者が混乱や不愉快な思いをしないで快適な療養環境を調整するのが看護職の役割であり,その配慮から制限はやむを得ないという意見もあった.
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