第8回日本看護医療学会学術集会 シンポジウム
医療従事者の熟練形成に何が必要か
「医療従事者の熟練形成には何が必要か?」自己成長にreflectionの果たす役割
高橋 優三
1
1岐阜大学大学院医学系研究科寄生虫学
pp.54
発行日 2006年12月30日
Published Date 2006/12/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200268
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医療技術の熟練形成は専門家にとって非常に重要なことであるが、いわゆる学校正義で守られている学校教育において熟練形成の教育をすることは、容易ではない。熟練形成には、「いじめとどこが異なるの?」式の方策が必要であるし、比較的多人数の学習者を相手にする学校教育では、教育当事者は自分の経験に基づいて最善の技能を学習者に教えようとするが、それは決して初心者が技能習熟に向かう方策にはならない。結果だけを能率よく教えて、成長の過程を経験させないからである。
初心者が熟練した技能者に成長していくためには、自分で考え、自分で判断し、自分で実行し、その結果を自分でreflectionし、何ができて何が足りないのか?何を勉強せねばならないのか?自分で気がつき自分で勉強する(自己決定型学習)が大切である。すなわち失敗から成功への道を学ぶ過程を、初心者の学習者がじっくり時間をかけて原体験する過程が必要である。
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