Japanese
English
資料
在宅人工換気療法中の子どもをもつ母親の体験—学校生活における葛藤の過程を中心に
Mother's Views of Her Child Who Requires Home Mechanical Ventilation
水野 美奈子
1
,
三浦 清世美
2
,
浅野 みどり
2
,
石黒 彩子
2
,
吉田 久美子
2
Minako MIZUNO
1
,
Kiyomi MIURA
2
,
Midori ASANO
2
,
Ayako ISHIGURO
2
,
Kumiko YOSHIDA
2
1名古屋大学医学部附属病院
2名古屋大学医学部保健学科
1Nagoya University Hospital
2Nagoya University School of Health Sciences
キーワード:
在宅人工換気療法(HMV)の子ども
,
母親の体験
,
学校生活
,
Child with Home Mechanical Ventilation
,
Experience of Mother
,
School Life
Keyword:
在宅人工換気療法(HMV)の子ども
,
母親の体験
,
学校生活
,
Child with Home Mechanical Ventilation
,
Experience of Mother
,
School Life
pp.61-66
発行日 2003年6月30日
Published Date 2003/6/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200208
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Ⅰ.はじめに
近年、慢性的な健康障害をもつ子どものノーマライゼーションやQOL向上の観点から、入院期間の短縮や地域在宅療養が普及しつつある。特に在宅人工換気療法(Home Mechanical Ventilation:HMV)など、高度医療を必要とする子どもたちも、地域で在宅の生活を送れるケースが増加しつつある。日本全国の在宅人工換気療法は、1997年の段階で成人約700人、小児で約100人と推察されている1)。しかし一方で、地域の普通学校や養護学校など教育現場においては「医療的ケア」に関するさまざまな戸惑いと混乱が表面化している2)。1997年の全国肢体不自由養護学校長会による調査によると3)、「医療的ケア」の実施については、保護者が学校へ出向く、訪問看護制度を転用する、養護学校教員が実施するなどがあり、地域によって取り組み方や実践内容に格差がみられている。また、「医療的ケアを必要とする学齢期(小学・中学・高校)の子どもの保護者」を対象とした調査4)では、養護学校通学籍児の7割以上が『教員などに対応してもらいたい』と考えているものの、6割以上が担任に医療的ケアを依頼したが断られた経験を有していた。このように、高度の医療的ケアを必要とする子どもの就学は、まだまだ困難な現状にある。
今回、在宅人工換気療法管理を受けている子どもが、地域の普通小学校に就学後、中学3年時に養護学校へ転校した意思決定の過程において、学校生活にまつわる母親の体験を記述することで、ノーマライゼーションの促進に関わる看護介入の可能性について再考することを目的に報告する。
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