Japanese
English
総説
生命倫理からみた看護
Bioethical Nursing
水野 金一郎
1
Kin-ichirou Mizuno
1
1名古屋市立大学看護学部
1Nagoya City University School of Nursing
キーワード:
生命倫理(Bioethics)
,
看護(Nursing)
Keyword:
生命倫理(Bioethics)
,
看護(Nursing)
pp.3-8
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200131
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はじめに
最近、倫理学会、生命倫理学会など倫理を中心とした学会に多くの看護職から発表や投稿が増し、この分野での関心が医師よりはるかに熱心な傾向がみられている。それらの多くは、「看護実践上の看護職者のdilemma」あるいは「看護ケアにおける倫理的意思決定」に関したもので、実践の場で多くの悩みを抱えていることが伺い知れる。
dilemma=問題解決にあたり、対立する二つ以上の判断基準があり、その選択が困難な状況をいう
例えば、ある患者のケアの方針について、病棟婦長と実際にケアに当たっている看護者との間で考え方に違いが生じて悩んでいるとか、あるいは医師の治療方針に従うのに苦痛を感じているとか、あるいは限られた時間を、末期患者のケアにかかわる時間を優先すべきか、緊急患者のケアを優先すべきか、などの問題である。
本論文の著者は医師であり、専ら看護教育に携わった期間はほぼ12年であり、正確に看護学を理解していない杞憂はあるが、両分野に関わった者の責任という立場から倫理という立場にたって、看護ケアを考えてみたい。
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