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日本災害看護学会の長年の会員であり名誉会員であられた近田敬子先生が去る4月4日にご逝去されました。近田先生は、鳥取看護大学の名誉学長、そして特任教授として84歳まで現役として活動されていらっしゃいました。日本災害看護学会においては評議員を長く務められ、2017年には年次大会の大会長の任を見事に果たされるなど災害看護学の発展に多大な貢献をされた方です。最後まで凜として生きられた近田先生のご逝去を悼み、ご功績やお人柄を偲びたいと思います。
近田敬子先生は高知女子大学家政学部衛生看護学科(現在の高知県立大学看護学部)の6期生で、卒業後は10年間保健師など看護現場で臨床経験を積まれました。1977年から京都大学医療技術短期大学看護学科助教授で教育に専念された後、関西では始めての看護大学として誕生した兵庫県立看護大学(現、兵庫県立大学看護学部)の教授として2013年にご就任なさいました。高知女子大学の大先輩でしたのでお名前は存知あげていましたが、お仕事を一緒にさせていただいたのはこの大学でした。開学して2年目が終わろうとしていた1995年1月17日に阪神淡路大震災に遭遇し、学生部長として獅子奮迅の活動をなさいました。激震地に住んでいた学生たちを一人一人訪ねられたのですが、電車は交通遮断でしたので、明石からバスや徒歩で長い時間をかけて、学生の安全を確かめ、安心できるようにケアされました。厳しいお仕事でしたが、保健師の経験が活かされていたように思います。おかげで私は大学の管理や被災地の支援活動に専念できました。携帯電話やパソコンなどない時代でしたから、明石の大学に帰ってきては被災地の状況も教えてくださいました。その情報が豊かで適切だったので、学内の看護教員が被災地の支援に行くのに、そして兵庫県立看護大学が日本看護協会と兵庫県看護協会の災害支援現地対策本部となってからも随分役立つものでした。近田先生はこの経験を教育に、実践に、そして研究に着実に活かされ、発展させてこられました。
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