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Ⅰ.はじめに
COVID-19は,大規模災害として位置づけられ,人々の生命や暮らしを脅かし,われわれはそれにともなって医療や社会,生活様式の変更を余儀なくされてきた.がん看護においても,これまで通常とされてきた看護実践に創意工夫を加えながら,根拠のある情報提供やセルフケア支援,感染予防など,新たな実践方法が生み出されている.
日本がん看護学会災害対策委員会では,2020年度よりがん医療やがん看護への影響についての実態調査とともに,根拠のある情報提供を目的とした「COVID-19に伴う外来がん薬物療法を受ける患者・家族への看護実践の手引き(第1.0版)」(以下,手引きとする)の作成を行ってきた.2021年度の第36回日本がん看護学会学術集会において,在宅看護,緩和ケア,がん相談といったさまざまな場で活動する看護職が創出した新たながん医療,看護の試みについて研修会を開催している1).また,手引き(第1.0版)が作成されてから3年近くが経過し,COVID-19に関する新しいエビデンスが蓄積され,がん薬物療法を受ける患者を取り巻く状況や治療へのリスクが大きく変化してきた.そのため本委員会では,手引き(第1.0版)を最新の情報や知見に基づいて改訂作業を行い,2022年12月に手引き(第2.0版)を日本がん看護学会ホームページ上で公開した2).今後も感染拡大の波を繰り返し蔓延し続けることが予測されることから,第37回日本がん看護学会学術集会において「コロナ禍において創出された外来がん薬物療法を受ける患者・家族へのケア」をテーマに,新たな手引き(第2.0版)改訂のポイントとその内容について紹介し,臨床での活用促進に向けた研修会を企画した.
今回の研修会は,改訂に関わったエキスパートとともにCOVID-19感染対策のポイントや,長期にわたるCOVID-19の影響のなかで積み上げられてきた看護実践内容についても共有し,がん患者のもつ力を見出し支援するためのがん看護の方向性について検討する機会となった.会場とLIVE配信のハイブリッド開催で,当日会場参加約20名,LIVE配信でのオンライン参加約60名であり,後日オンデマンドでも配信された.本報告書では,研修会の内容とアンケートの結果について報告する.
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