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資料
がんの診断を受けた人と身近な関係にある一般住民が抱く困難感と支援の実態—インターネット調査法による自由回答の分析結果
Difficulties and Supports that The General Public Who has a Close Relationship with a Person Diagnosed with Cancer: Analysis Results of Free Answers by Internet Survey Method
竹下 裕子
1
,
山根 美代子
2
,
稲垣 美紀
1
,
稲垣 範子
1
,
長沢 美和子
1
,
田中 結華
1
,
橋弥 あかね
3
,
佐藤 禮子
4
Hiroko Takeshita
1
,
Miyoko Yamane
2
,
Miki Inagaki
1
,
Noriko Inagaki
1
,
Miwako Nagasawa
1
,
Yuka Tanaka
1
,
Akane Hashiya
3
,
Reiko Sato
4
1摂南大学
2姫路赤十字病院
3大阪教育大学
4前東京通信大学
1Faculty of Nursing, Setsunan University
キーワード:
がん体験者
,
一般住民
,
支援
,
関係性
,
困難感
,
cancer survivor
,
general public
,
support
,
relationship
,
difficulty
Keyword:
がん体験者
,
一般住民
,
支援
,
関係性
,
困難感
,
cancer survivor
,
general public
,
support
,
relationship
,
difficulty
pp.81-87
発行日 2023年12月31日
Published Date 2023/12/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.緒言
日本における2018年のがん罹患数は98万856人1)となっている.新たにがんの診断を受けた人は,がんサバイバーシップへ移行する間に身体的,心理社会的,スピリチュアルなど多様な側面に影響を与える重大な変化や苦痛を経験することが報告されている2).変化は,医療提供者,家族,友人,コミュニティを含む関係性のなかに現れる2)と説明されており,多様な変化はがん罹患者本人のみに限らず,取り囲む周囲の人々との関係性のなかで,双方ともに経験されていると考えられる.
がん罹患者は,つながりの実感を通して存在価値を確かめ生きる意味を見出す3),つながりを通して自分らしく生きていく4),セルフケア能力として人とのつながりを保ち社会生活を調整する能力が必要5)等,周囲とのつながりを保ちながらがんとともに自分らしく生きていく経験の重要性が報告されている.社会的支援を受けている知覚は,がん罹患者のQOLに肯定的影響をおよぼすことも報告されている6).一方,肺がん患者とケア提供者は社会的ネットワークのなかで,がん診断によるスティグマと苦痛を経験している7),がんについて開放的に話すストレスがある8),不必要で望まないサポートを受け予期せぬ失望を経験している9)等が明らかにされており,これらはがん患者と接する周囲の人々との相互作用において現れるといえる.
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