Japanese
English
総説
女性がんサバイバーの妊孕性支援の概念分析
Conceptual Analysis of Fertility Support for Female Cancer Survivors
那須 明美
1
Akemi Nasu
1
1広島文化学園大学大学院看護学研究科博士後期課程
1Graduate School of Nursing Doctoral program, Hiroshima Bunka Gakuen University
キーワード:
女性
,
がんサバイバー
,
妊孕性支援
,
概念分析
,
female
,
cancer survivors
,
fertility support
,
conceptual analysis
Keyword:
女性
,
がんサバイバー
,
妊孕性支援
,
概念分析
,
female
,
cancer survivors
,
fertility support
,
conceptual analysis
pp.18-25
発行日 2020年12月31日
Published Date 2020/12/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
Ⅰ.緒 言
がん医療の進歩により,妊娠可能な年齢の若年女性がんサバイバーは増加している1).がんやがんの治療による重大な後遺症である妊孕性喪失への対策として,近年,妊孕性温存療法(Fertility Preservation:以下FP)を受け,がんの治療後に子どもを得ることが可能となった.2013年の米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)のガイドライン更新で,すべてのヘルスケア提供者は,FPについて女性がんサバイバーと話し合い,選択肢について相談すべきであることが打ち出された2).にもかかわらず,厚生労働省の調査によると日本では,40歳未満のがん患者へのFPに関する情報提供の割合は38.1%と低く3),多くのがんサバイバーが情報提供を受けていないといった臨床現場の最大の倫理的課題が存在する4).がん治療と妊孕性への取り組みは端を発したところであり5),未だ看護実践経験は少ない状況である6).また,厚生労働省は,「倫理面に配慮しつつ,生殖機能温存に関する正確な情報提供を患者・家族に対して行なうよう,医療従事者に周知を図る必要がある」と言及している7).現在,妊孕性支援の概念を明確にした研究はなされておらず,医療従事者へ女性がんサバイバーの妊孕性支援について周知され理解を深めるために,概念構造を明らかにすることは意義があり,今後の研究の基盤となると考えた.そこで,本研究は,女性がんサバイバーの妊孕性支援の概念分析を行い,概念構造を明確にすることを目的とした.
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