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資料:実践報告
がん患者・配偶者への予期的悲嘆ケアプログラムにおけるがん看護専門看護師の調整と実践
A Care Program for the Anticipated Grief of a Terminal Cancer Patient and Her Husband, with Special Reference to Practice and Coordination of an Oncology Clinical Nurse Specialist
千崎 美登子
1
,
嶺岸 秀子
2
Mitoko Senzaki
1
,
Hideko Minegishi
2
1北里大学東病院看護部
2北里大学看護学部
1Kitasato University East Hospital of Nursing
2Kitasato University School of Nursing
pp.60-66
発行日 2004年7月20日
Published Date 2004/7/20
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
がん医療の現場では,インフォームド・コンセントが普及し,患者と家族に病名を告げ,治療の選択ができるように説明されている.しかし,根治治療を望めなくなった末期がん患者の家族は,その事実を患者に告げることを躊躇する.そして,抱いている思いについての真の対話が患者とできないために,さまざまな苦悩を体験する.
そのような予期的悲嘆過程にある患者・家族への,看護ケアの必要性を強く感じた看護師長は,病棟ナースと看護研究者との全体性のパラダイムに基づくアクション・リサーチに取り組んだ.そして,パイロットスタディ1)を経て2001年に「予期的悲嘆ケアプログラム」(表1)を病棟全体に導入した2).このプログラムの特徴は,看護師長であるがん看護専門看護師(以下,OCNS注1))のサポートが受けられることである.
本報告は,配偶者である夫の混乱が強く,医療者も巻き込まれたために,十分なターミナルケアを受けられずに不安の強かった事例へのかかわりである.支援を要請されたOCNSが実践・調整を行った過程は,末期のがん患者・家族の混乱に巻き込まれて苦慮するナースやがん専門看護師にとって役立つと考える.
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