Japanese
English
【研究報告】
地域包括ケアに携わる看護職の引き継ぎに用いる看護サマリー活用の実態
A study on the state of nursing summaries in handover of patients between nurses in community-based integrated care
酒井 志保
1
Shiho Sakai
1
1日本赤十字秋田看護大学看護学部
1Japanese Red Cross Akita College of Nursing
キーワード:
訪問看護ステーション
,
介護老人保健施設
,
地域包括ケア
,
引き継ぎ
,
看護サマリー
Keyword:
訪問看護ステーション
,
介護老人保健施設
,
地域包括ケア
,
引き継ぎ
,
看護サマリー
pp.4-14
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200059
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的は,地域の看護職間で入退院時の引き継ぎに看護診断・看護問題を含めたサマリーの活用の実態を明らかにすることである.全国の介護老人保健施設(以下,「老健」)および訪問看護ステーション(以下,「訪問」)で病院と引き継ぎをしている看護職に対して,選択法と自由記載で構成した自作の質問紙調査を行った.研究対象者は175名(「老健」95名,「訪問」80名)であった(施設の研究協力18.8%,質問紙の回収率は「訪問」81.6%,「老健」83.3%,全体で82.5%であった).
サマリー作成の基となる日々の記録を「訪問」は看護過程の形式で記載しており,「老健」は50.5%に看護独自の記録がなかった.病院への引き継ぎには「訪問」95.0%,「老健」95.8%とほとんどがサマリーを使い,「訪問」55.0%,「老健」41.1%がサマリーに看護問題/看護診断を記載していた.病院からのサマリーは全体の88.0%が受け取っており,「訪問」70.0%,「老健」50.5%に看護問題あるいは看護診断の記載があった(p=0.018).「訪問」56.2%,「老健」54.7%が,病院からのサマリーに不足があると回答した.自由記載で,病院からのサマリーに不足している内容を具体的に「老健」が多く指摘した.全体の53.7%は看護の継続にいかせるとした.質の高い看護の継続に看護職の引き継ぎは重要であると認識されているが,互いの職場に対する理解や記録に関する研鑽の機会が必要である.
Copyright © 2022, Japan Society of Nursing Diagnosis. All rights reserved.