日本看護診断学会第22回学術大会報告 質の高いケアにつなぐ看護診断
【会長講演】
質の高いケアにつなぐ看護診断
長家 智子
1
Tomoko Nagaie
1
1佐賀大学医学部看護学科
1Faculty of Medicine, Saga University
キーワード:
看護診断
,
看護計画
,
個別性
Keyword:
看護診断
,
看護計画
,
個別性
pp.24-28
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200025
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NANDA-Iの診断名は世界共通のものであり,個別性はない.個別性は診断指標と関連因子・危険因子で示される.適切な看護診断のためには,特にフォーカスアセスメントを十分に行うことが重要であり,対象者に必要な情報をすべて収集する必要がある.アセスメントで証拠が示されていなければ,看護診断を行うことはできない.また,アセスメントがなければ,看護診断を証明することはできない.証拠となる情報をそろえ,的確に分析することが重要である.対象者に必要なフォーカスアセスメントを行うことがどの程度できるかが看護診断の精度を決定づけ,個別的で質の高い看護を提供できるのかを決定する.質の高いケアにつなげるためには,看護診断段階で対象者の個別性をしっかりととらえ,計画につなげることが重要である.また,どんなによい計画であっても,実施されなければ対象者は利益を得られない.計画したものを対象者に提供することができてはじめて,「質の高い看護を提供する」ことになる.
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