第18回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【教育講演】
5.血管外科医が伝授するフットケア
花田 明香
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1公益社団法人有隣厚生会東部病院血管外科・フットケアセンター
pp.46-53
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200077
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Ⅰ.はじめに
透析患者の原疾患の第1位は糖尿病であり,また高齢化も進んでいる.2013年末の統計調査では,透析導入患者の43.8%が糖尿病を原疾患とし,平均導入年齢は68.68歳であった1).このため,末梢神経障害,末梢動脈疾患,易感染性から足病変をきたしやすい患者が多い.視力障害や末梢神経障害から発見が遅れがちで,いったん足病変をきたすと急速に悪化し,重症化やすい.患者自身のみならず,医療従事者にとっても危険を予知しにくいことがあり,危険な足を扱っているという認識が乏しいために,医原性の足病変をつくってしまうことも少なくない(図1〜5).
当院では,血管外科医が中心となって2010年9月にフットケアチーム「花筐」を立ち上げ,下肢救済を行っている.フットケア外来においては年間300人余りの新規患者を受け入れ,外来のべ患者数は平均284人/月である.このうち透析患者数は63%を占める.当院での5年間の経験をもとに,血管外科医の立場から透析患者におけるフットケアのこつとピットフォールを報告する.
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