第7回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【ランチョンセミナー】
2.透析医療におけるクリニカルパス
小林 美亜
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.33-37
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100221
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クリニカルパスとは?
クリニカルパスとは,多職種からなる医療チームが協働で実践するための行動計画を時系列でまとめたものである.クリニカルパスは,1990年代半ばにチーム医療を促進するための1つのツールとして日本で導入されるようになり,現在では,在院日数の短縮,業務の効率化,医療の質の改善などに活用されている.
クリニカルパスの様式としてはオーバービュータイプと日めくり式がある.一般的なオーバービュータイプは,時間(疾患・処置により時間の単位は異なる)を横軸にとり,医療のケア項目(治療,薬剤,退院計画など)または多職種の項目(医師,看護師,薬剤師など)を縦軸にとったマトリックスで構成される.入院診療計画書や患者へのインフォームドコンセントとしてクリニカルパスを活用している病院では,患者用パスの様式として,この形式を活用しているところが多い.医療提供者にとっては,各職種の診療やケアを提供するタイミングが明確になるという利点はあるが,記録用紙や指示票として活用する場合にはスペース上の限界など使用上の問題もある.そこで,クリニカルパスを記録用紙もしくは指示票として活用している病院では,1日の診療やケアの内容を1枚とした日めくり式タイプを採用しているところもある.クリニカルパスの様式としては,各施設がクリニカルパスを活用して達成したい目的を明確にし,その目的に合わせて採用していくことが求められる.
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