第7回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【ワークショップ:透析看護サービスにおける安全と信頼】
1.長年の経験に基づく患者・看護師の信頼関係について
宇田 有希
1
1眞仁会
pp.12-13
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100214
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はじめに
わが国において,最初にチーム医療を実践したのは透析療法ではないだろうか.いうまでもなくチーム医療の主役は患者であり,いったん導入されれば生涯継続しなければならない透析医療においては,患者の積極的な治療参加なくしては成り立たないのである.
「闘病」という言葉が示すように,最後の日まで途切れることなく続く透析生活を,看護師は患者とともに闘うのだという認識をもたなければ,信頼関係を構築することは困難である.その証拠に,ローテーションの激しい透析室では患者・看護師関係は希薄で,コミュニケーションがとれない,必要な情報が得られないなど,気づいたときには手遅れで,感情的なトラブルになるという話は枚挙にいとまがない.それらは看護師の「燃え尽き症候群」を誘発し,看護職の定着率を下げ,さらに患者の信頼を損なう結果ともなっている.
「患者中心の看護」という言葉を空虚なものにしないためにも,「人間対人間の看護」を実践強化する道筋を考えたいと思う.
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