【事例報告】
要介護透析患者への看護師のかかわり―介護保険を利用して
河井 恵美子
1
,
熊谷 弘子
1
,
嶋村 信子
1
1山田赤十字病院血液浄化センター
pp.93-96
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100125
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はじめに
介護保険もスタートして1年あまりが経ち,社会的にも認知されるようになってきた.今,社会ではさまざまな事例を通して介護保険制度の有用性が検証されている.そのサービス内容についても状況に即していろいろ改善されてきているが,問題点も多く指摘されている.
現在,当院においても延べ21名の患者が要介護認定を受け,サービスを利用している.2000年7月,当院の介護保険利用患者の実態調査を行ったとき,要介護対象者64名のうち利用者は10名であり,透析室への送迎を全員が希望していたにもかかわらず,そのサービスを介護保険では受けることができなかった.また,ある事例では,通所介護中は水分摂取が自由であったので体重増加が多くなったり,また,家事援助を受けることにより身体を動かさなくなり,歩きにくくなってしまったと訴えている事例もあった.これらのことより,個々の患者のニーズに合わせたサービス内容の検討が必要であると考えられた.
今回在宅支援センターと連携し,介護サービスを利用することによりQOLが向上した2事例がある.この2事例を通して,介護保険制度下で,要介護透析患者の援助における看護師の役割を検討したので報告する.
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