連載 公的介護保険VS看護・4
「公的介護保険」と看護職のかかわり
井手 信子
1
1ケアマネージメント研究所
pp.336-340
発行日 1996年4月1日
Published Date 1996/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905059
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社会的背景
21世紀の超高齢社会に向かって,政府はさまざまな対応策を迫られている.2025年には国民の4人に1人が65歳以上になり,世界一の高齢国になる.2025年といえば遠い将来のように思えるが,たった30年後であり,私はその時代の高齢者である.他人事ではない.
老後に関する「国民の意識調査」(総理府「高齢期の生活イメージに関する世論調査」平成5年)によると,将来に不安を感じる人は89%を超え,不安の第1は,自分や配偶者の身体が虚弱になったり,病気がちになること(健康)が49.4%あり,「国民衛生の動向」(1995年)から,有訴者率や,通院者率をみても65歳以上では約半数を超えている.不安の第2は,自分や配偶者が寝たきりや,痴呆性老人になり介護が必要になったとき(介護)が49.2%.第3に,老後の生活資金のこと(経済)35.5%.以下,配偶者に先立たれたあとの生活27.4%.子どもや孫と別居し孤独になること(孤独)13.0%などである.高齢者問題はまさにこの不安でみると3Kとも5Kとも言うことができるだろう.
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