第16回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●特別講演1
多職種連携の方法論としての信念対立解明アプローチ
京極 真
1
Makoto Kyougoku
1
1吉備国際大学大学院保健科学研究科
1Graduate school of health science, KIBI International University
pp.44-48
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
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多職種連携の必要性と成立条件
厚生労働省が多職種連携を推進1)していることからもわかるように,現代を生きる医療者にとってそれを実質化するスキルの獲得は,必須といっても過言ではない.その理由として,(1)医療の質の向上,(2)患者安全の担保,(3)医療の高度化および複雑化,(4)医療現場の疲弊,などのニーズや背景が挙げられている.すなわち,多職種連携はそうした状況に対応しうる希望の方法として認識されているのだ.
多職種連携が成立するためには,様々な医療職種の専門性の向上と役割の拡大,および相互幇助の推進などが条件として必要であると考えられている2).つまり,特定の医療職に権限が集中したり,医療職種間の縦割り業務が著しい場合,多職種連携は現実味のない単なる理想理念と化してしまうと考えられているのだ.多職種連携が理想理念化すれば,上記のニーズや背景に対応した医療を実質化することはできないことになる.
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