第16回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●特別講演2
糖尿病と妊娠における治療の進歩
大森 安恵
1
Yasue Omori
1
1海老名総合病院・糖尿病センター
1Diabetes Center, Ebina General Hospital
pp.49-54
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
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はじめに
耳で聞く事と,目で読む事は感覚的に違う.話し言葉と,書いて表現する事も媒体が異なるので,全く異質の作業である.特別講演として学術集会で話した事柄を文字に表す事は大変むつかしいが,可能な限り臨場感を再現出来る記述でありたいと祈念している.
糖尿病患者さんの妊娠を最高のものにするには,医療者自身の学習こそその源流をなすものである.約150年前,江戸時代の儒学者佐藤一斎は1)「学は一生の大事」と題して
少にして学べば 則ち壮にして為すことあり.
壮にして学べば 則ち老いて衰えず.
老いて学べば 則ち死して朽ちず.
と生涯学ぶ事の重要性を記述している.
一般に糖尿病と妊娠は,学ぶ機会の少ない分野であるので,本講演で私は糖尿病と妊娠の治療のみならず,日常診療に益する大略を述べたいと考えている.
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