第13回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム
2.糖尿病教育方法をわざから技術にするとりくみ
任 和子
1
,
瀬戸 奈津子
2
Kazuko Nin
1
,
Natsuko Seto
2
1京都大学医学部附属病院
2大阪大学大学院医学系研究科
pp.58-59
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
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学術集会のテーマと重なっているとおり,本シンポジウムには稲垣美智子会長の強い思い入れがあり,「わざ」を誰もが使える「技術」として示すために客観化することは,「エビデンス」研究を実施する際に最も重要である.この難しいテーマをいただき,シンポジウムでは,糖尿病教育の“教育”には,患者教育はもとより,糖尿病患者にかかわる看護師への継続教育をも含めて考えることにした.つまり,知識教育のみならず,糖尿病に対する心構えなどの心理教育も目的とし,患者や看護師が動機づけを高め,吸収しやすいように情報提供し,学習を支援するという意味合いである.
とりわけ糖尿病教育では,看護職の思考過程が行動として表現されずに可視的でないため,他の人にその「わざ」を示すことが難しく,その個人の「わざ」にとどまっていることが多いのも否めない.「わざ」から「技術」にする方法論として,看護職自らの「わざ」に対し,事例を積み重ねながら,その事象にかかわる患者の反応や自らの思考過程をたどり,事例検討会などを通して意見交換することで客観性を伴い,進歩(時には進化)し,「技術」に発展していくことが知られている.
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