【実践報告】
糖尿病外来継続看護の有効性の検討―継続看護開始前後の食事自己管理に対する自己効力感とHbA1cの推移から
荒川 光子
1
,
上遠野 了子
1
Mitsuko Arakawa
1
,
Ryoko Katono
1
1いわき市立総合磐城共立病院
1Iwaki Kyoritsu General Hospital
キーワード:
外来継続看護
,
食事自己管理
,
自己効力感
,
行動の変容
Keyword:
外来継続看護
,
食事自己管理
,
自己効力感
,
行動の変容
pp.52-56
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
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A院における糖尿病外来継続看護が患者の自己管理の維持・向上に対して有効であるかを,外来通院中で血糖コントロールが悪化傾向にある患者に対し,外来継続看護を実施し,開始前後の自己効力感の平均点とHbA1cの平均値の推移から検討した.調査結果より,継続看護実施ごとに自己効力感が上昇し,HbA1cが低下したことは,継続看護が患者の自信や意欲,行動の変容につながり,血糖コントロール状態が改善傾向にあることが示された.このことから,A院における継続看護は自己効力感を高める患者教育をしていると考えられるが,一方で継続看護を自己中断した患者のHbA1cが悪化したことは,継続看護が動機づけにならず,行動の変容に至らなかった結果をもたらした.今後,指導技術のレベルアップや継続看護専門看護師の配置についても検討する必要がある.本研究により継続看護の有効性が示唆されたが,今後さらに,自己効力感を高められるような援助をしていきたい.
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