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日本看護倫理学会第9回年次大会 教育講演
ケアの倫理からみたアドボカシー
Nursing as advocacy: From the viewpoint of ethic of care
品川 哲彦
1
1関西大学
pp.79-80
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
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- Abstract 文献概要
1 .倫理とは
職業団体の定める倫理綱領は、その職業にこれまで就いてきた人びとが自ら定めたものである。したがってそこには、自分の仕事をどのような仕事として考えているかという自己認識が反映している。医療職のなかで最初に倫理綱領をもったのは医師で(紀元前4世紀の「ヒポクラテスの誓い」)、次が看護師である(19世紀末の「ナイチンゲール誓詞」)。後続の各種療法士の倫理綱領が医療チームの和を強調するのに比べて、看護師の倫理綱領は専門職としての責任を強調している。日本看護協会の「看護者の倫理綱領」第6条は国際看護師協会の「看護師のための倫理綱領」第4条「看護師は、一緒に働いている人たちや他の人たちによって個人、家族、コミュニティの健康が危険にさらされているとき、人びとを守るために適切な行動をとる」を参照して定められたものだろう。これは、看護師は誰よりも、ほかの医療職よりも率先して患者の側に立つという宣言である。看護師のこの自己理解は1970年代にできた。患者のアドボカシー、つまり看護師は患者の思いを患者に代わって訴える者、伝える者であるとする考えは、この精神を受け継いでいる。
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