◆特集 作業療法士の養成教育—現状と問題点
臨床からのコメント
坪田 貞子
1
1札幌医科大学附属病院
pp.39
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
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- 文献概要
私は長い間,作業療法士養成課程の変遷の中で,専門学校,短大,大学等の臨床教育に携わって来た.しかしながら,教育課程が大きく変化する中で,最も変化しなかったのは臨床教育のあり方ではなかったのかと感じている.日本作業療法士協会からの「臨床実習の手引き」や方法論に関するいくつかの提案や改革はあったが,現場の作業療法士にとって指針にはなっても,実効性のあるものになっていたのだろうかという思いがある.その上,中村氏が指摘しているように,患者の権利意識と収益を重視する病院経営の観点から,実習生を引き受ける環境が変化してきている.このような困難な状況で臨床教育に参加している作業療法士の努力を,より教育効果の上がるものにするためにも,臨床実習のあり方に再検討が必要な時期に来ていると思う.その上でいくつかの提案をしたい.
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