◆特集 質的研究の魅力—作業療法からの視点
患者会への参加—社会の中で精神障害をもつ人を理解する
河野 仁志
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1北海道大学医療技術短期大学部
pp.548-550
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
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はじめに
かつて安達1)が,「精神に障害をもつということに打ちひしがれ,人生に目標を失い,深い悲しみの中にいる人に,ただ単にプログラムを与え,それに参加させたとしてもその人の人生に対して何の役にもたたない」,そして「病んでいる人も,そうでない人も,皆同じように精神的にも社会的にも不確かな上に立っているのだと感じ得たとき,“社会復帰”という言葉を共に語ることができ,作業療法が成り立つ」と感慨を述べた.これは精神に障害をもつ人を作業療法の単なる対象とのみ見ることへの批判であり,障害者と作業療法士の質的な異同に対する注目のあり方への警鐘であった.
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