◆特集 作業療法における行為障害
作業療法の臨床モデルから
宮前 珠子
1
1広島大学医学部保健学科
pp.181-184
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
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「行為障害」という言葉は,1998年3月から5月に神戸市で起きた連続児童殺傷事件の容疑者である少年が,精神鑑定の結果,9月末になって「行為障害の症状が見られる」とされたことによって,一躍我が国で脚光を浴びることになった.
「行為障害」という用語は“conduct disorder”の訳語であり,アメリカ精神医学会の「精神疾患の診断・統計マニュアル」1)(DSM:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders.第4版,1994.以下,DSM)の「注意欠格および破壊的行動障害」の中に位置づけられるものである.一方,国際疾病分類2)(ICD:International Classification of Diseases)では,「神経症性,ストレス関連性,及び身体表現性障害」の下位分類のうち,「重度ストレス反応と適応障害」の中の「適応障害」に,「主に行為障害を伴うもの」として位置づけられている.
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