◆特集 作業療法における行為障害
行動と行為
深野 佳和
1
1鹿児島大学医学部保健学科
pp.176-180
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
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行動と行為,この2つの言葉は日常生活においてもあまりその違いを考えないまま何気なく用いられていることが多い.しかし両用語を厳密に概念規定し,その相違を明確にしようとすると,たちまち隘路に迷い込んでしまう.この非常に困難な作業を,限られた枚数の中で,できるだけコンパクトにまとめてみたい.
まずこの両用語について身近にある辞典類で調べてみると,その類義語の多さに驚かされる.おこない,ふるまい,しわざ,所行,所業,行状,行跡,品行,素行,行儀,動き,動作,活動,反応,実行,遂行,実施,態度…….英語も,behavio(u)r,action,act,conduct,accomplishrment,achievement,activity,bearing,carriage,comportment,deed,demeano(u)r,deportment,exercise,exploit,feat,gesture,manner,practice,praxis,response,……と数多い.本来はこれら全ての言葉の意味上の相違を明らかにしなければならないのだが,ここでは行動(behavior)と行為(action,act,conduct)に限定し,それらについて一般的意味,哲学・社会学的側面,心理学・認知科学的側面,精神医学的側面から検討したい.
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