Japanese
English
◆研究と報告
精神科長期在院者との関わり—病院訪問の形をとった作業療法の試み
Two case studies of patients with chronic mental disability : Bed-side occupational therapy
梶原 香里
1
,
山根 寛
1
,
松本 雅彦
1
Kaori Kajiwara
1
,
Hiroshi Yamane
1
,
Masahiko Matumoto
1
1京都大学医療技術短期大学部作業療法学科
1College of Medical Technology, Kyoto University
キーワード:
慢性精神障害者
,
作業療法
,
病院訪問
Keyword:
慢性精神障害者
,
作業療法
,
病院訪問
pp.149-155
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨:学校に勤務するOTRは,診療報酬の対象外に直接入院患者を訪問する形をとって,精神科長期在院の2症例と関わった.彼らは「精神科長期在院者であること」から劣等感を持ち,病院という閉鎖されたタテ社会の中で,承認の欲求を満たされず,自己尊重の低い状態にあった.彼らとのOTRの関わりは,精神障害ではない他の部分に焦点を当てることにより劣等感を刺激せず,自己決定権を保証し,丁寧な説明と能力保証あるいは肯定的評価を伝えるものであった.OTRが「訪問者」であった治療構造がこうした関わりの有効性を高め,症例にとってヨコの人間関係を育み,彼らの欲求をある程度満たした.
Copyright © 1996, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.