雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Seishin Igaku Volume 46, Issue 4 （April 2004）

精神医学 46巻4号（2004年4月発行）

Japanese English

研究と報告

精神科病院長期在院者の退院に関連する要因の検討 Analysis of Factors Relating to the Discharge of Long Stay Psychiatric Patients 下野正健 ¹ , 藤川尚宏 ¹ , 吉益光一 ² , 小原喜美夫 ¹ , 浜田博文 ¹ , 加藤泰裕 ¹ , 平城カトミ ¹ , 清原千香子 ² , 末次基洋 ¹ Masatake SHIMONO ¹ , Norihiro FUJIKAWA ¹ , Kouichi YOSHIMASU ² , Kimio KOHARA ¹ , Hirofumi HAMADA ¹ , Yasuhiro KATOU ¹ , Katomi HIRAKI ¹ , Chikako KIYOHARA ² , Motohiro SUETSUGU ¹ ¹福岡県立精神医療センター大宰府病院 ²九州大学大学院医学研究院社会医学講座予防医学分野 ¹Dazaifu Hospital Psychiatric Center, Fukuoka, Japan ²Department of Prevention Medicine, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University キーワード： Long stay psychiatric patients , Discharge , Relating factors , Mental state , Rehabilitation Keyword: Long stay psychiatric patients , Discharge , Relating factors , Mental state , Rehabilitation pp.403-414

発行日 2004年4月15日 Published Date 2004/4/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100472

PDF(572KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
サイト内被引用 Cited by

抄録

　精神科病院長期在院者の退院関連要因を検討するために，5年以上の在院者266名の臨床要因と社会要因を調べた。その後，2年9か月の間，退院促進を行った。そして，この期間に退院できた群とそうでない群を比較することによって，退院関連要因を統計的に評価した。

　全員の長期在院者を対象とした解析では，知的障害群は統合失調症群に比べて退院しやすく（OR6.9，95％CI1.9-24.9），全般的生活機能が低い人（OR0.3，CI0.1-0.7），対人障害が強い人（OR0.2，CI0.1-0.7）や現実検討能力の障害がある人（OR0.4，CI0.2-1.0）は退院しにくいことがわかった。他方，対象を統合失調症のみに限定した場合，活動性の低下がある人（OR12.3，CI2.8-54.2）が退院しやすく，思考障害（OR0.1，CI0.0-0.7）や認知障害がみられる人（OR0.1，CI0.0-0.6）は退院しにくいことがわかった。