Japanese
English
◆総説
ストレスと脳—実験的アプローチ
Stress and Brain : Experimental Approach
田中 正敏
1
Masatoshi Tanaka
1
1久留米大学医学部薬理学教室
1Department of Pharmacology, Kurume University School of Medicine
キーワード:
ストレス
,
脳内ノルアドレナリン
,
ラット
Keyword:
ストレス
,
脳内ノルアドレナリン
,
ラット
pp.110-118
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
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要旨:生体がストレスにさらされるといろいろな身体的変化が生じる.それらの一部はストレス病としてよく知られている.ストレス状況下における脳の変化について検討を加えることは,これらの疾患の病態を理解したり,治療対策を立てていく上からも重要なことである.脳における神経伝達物質のひとつであるノルアドレナリンを指標にして,いくつかのストレス状況下での脳の変化をラットを使って実験的に検討した.その結果,身体的ストレスは広汎な脳部位で著明なノルアドレナリン放出の亢進を引き起こすが,心理的ストレスでは情動と関連した脳部位にそれが限られることが明らかになったほか,ストレスによる脳内ノルアドレナリン放出亢進からみて,ストレスは自らコントロールできたほうがよく,予測できたほうがよく,発散できたほうがよいこと,年をとると脳のストレスからの回復も遅れることなどが明らかになった.
Copyright © 1991, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.