Japanese
English
特集 完全頚髄損傷患者の職業復帰をめざすリハビリテーション治療
3 完全頚髄損傷への合併症対策—褥瘡への対策
Preventing Complications of Complete Cervical Spinal Cord Injury : Pressure Sore Management
尾川 貴洋
1
Takahiro Ogawa
1
1愛知医科大学リハビリテーション医学講座
キーワード:
deep tissue injury
,
血圧低下
,
末梢微小循環血流低下
,
創傷治癒遅延
Keyword:
deep tissue injury
,
血圧低下
,
末梢微小循環血流低下
,
創傷治癒遅延
pp.1051-1058
発行日 2023年12月18日
Published Date 2023/12/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 完全頚髄損傷者の褥瘡についてはdeep tissue injuryという考え方が重要であり,活動性の低下,感覚障害,尿失禁や便失禁による湿気,筋萎縮や低栄養といった一般的な褥瘡リスクの他に,頚髄損傷者特有の褥瘡リスクがある.内分泌・免疫系の障害による創傷治癒遅延や,循環器系への影響による血圧低下や末梢微小循環血流低下などが挙げられる.予防として除圧は最も重要な1つであり,プッシュアップやTiltの影響で座面圧は変化することが示されている.特に難治性褥瘡のであれば,バイオフィルムの形成による影響を考え,しっかりとした処置が必要である.頚髄損傷者特有の褥瘡リスクである内分泌・免疫系の障害による創傷治癒遅延や,循環器系への影響に視点からも運動も奨められる.
Copyright © 2023, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.