- 文献概要
循環器リハビリテーションは,虚血性心疾患を端緒に運動療法のエビデンスを積み重ねてきた.心不全も保険適応となり,多くの病院で循環器のリハビリテーション治療が行われるようになってきた.運動耐容能を評価して有酸素運動を処方し外来心臓リハビリテーションへつなぐというスタンダードはいまだ重要性を失っていない.しかし,高齢化に伴い,フレイルの合併や駆出率(EF)の保たれた心不全の増加など疾患背景も変化したことや,経皮的大動脈弁置換術(TAVI)や植え込みデバイス,カテーテルアブレーションの進歩による疾患治療の変化に伴い,新しい循環器リハビリテーション医療を模索する必要がある.近年では遠隔リハビリテーションのエビデンスも蓄積されており,また,回復期リハビリテーションにおける循環器リハビリテーションの拡大も重要な取り組みとなってきている.本特集では,新時代の心臓リハビリテーションのエビデンスや実際の医療について解説いただいた.
▷ 担当:白石裕一,企画:国内誌編集委員会
Copyright © 2023, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.