Japanese
English
教育講座
再生リハビリテーション
Regenerative Rehabilitation
青山 朋樹
1,2
,
池口 良輔
1
,
伊藤 明良
2
,
谷間 桃子
2
,
南角 学
3
,
田辺 直也
1
,
小笹 寧子
1
,
松田 秀一
1
Tomoki Aoyama
1,2
,
Ryosuke Ikeguchi
1
,
Akira Ito
2
,
Momoko Nagai-Tanima
2
,
Manabu Nankaku
3
,
Naoya Tanabe
1
,
Neiko Ozasa
1
,
Shuichi Matsuda
1
1京都大学医学部附属病院リハビリテーション科
2京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻先端リハビリテーション科学コース
3京都大学医学部附属病院リハビリテーション部
キーワード:
再生医療
,
再生
,
リハビリテーション
,
再生リハビリテーション
Keyword:
再生医療
,
再生
,
リハビリテーション
,
再生リハビリテーション
pp.1149-1155
発行日 2021年10月18日
Published Date 2021/10/18
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- 参考文献 Reference
はじめに
再生医療は,従来の治療方法では治癒が困難な疾病に苦しむ患者に,希望の光を与える新しい治療方法である.いくつかの疾病においては臨床応用も進められており,良好な結果が期待されている.しかし,常日頃リハビリテーション診療を行っている目からみていると「体外で調製された細胞や組織を単に輸注や移植するだけで,本当に患者の体の一部として機能を発揮することはできるのだろうか?」という疑問がわいてくる.麻痺からの改善や筋力の回復の一部が患者自身の自然治癒力によるものであるにしても,筋力強化トレーニングや関節可動域エクササイズ,物理療法のような身体刺激を加えることによって機能的な回復を遂げていることを,日々の診療で目にしている.このことから,移植した細胞や組織に機能を付加するには,なんらかのトレーニングを行わないと機能発揮することはできないのではないだろうか? また,機能発揮という点だけでなく,患者の体内に移植した後に,なんらかの訓化のようなことを行わないと移植母床に生着することはできないのではないか? という疑問もわきあがってくる.再生医療で用いられる細胞や組織よりはもう少し組織化されているが,人工心臓装着術後や心臓移植後の心臓リハビリテーション,人工関節置換術や義肢装着後の運動器リハビリテーションを通して患者自身の体に“integrate”する技術をリハビリテーション医学においてはすでに確立している.そこで,再生医療の3本柱である「細胞」,「足場」,「栄養」1)に,第4の要素として「リハビリテーション」を加えることで,再生医療を実用的で,効果的な治療法にすることができると考えたのが,本研究の出発点である.
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