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昨年の10月にWorld Federation of Neurorehabilitation(WFNR)のmember at large(一般理事)を拝命した.もともと,英語に自信があるわけではないことに加えて,どんな仕事をしなければならないかと戦々恐々としていたところに,COVID-19がニューロリハビリテーション医療にどのような影響を与えているかの調査をしてほしいと頼まれた.調査に加わったメンバーは,ISPRMのPresidentをおやりになったMarta Imamura(ブラジル),Caterina Pistarini(イタリア),Sabahat Wasti(UAE)であり,感染やワクチンの導入状況もばらばらなところに,私が委員長をすることになってしまい,各国の時差に合わせたweb meetingの都合合わせから始まり,委員それぞれの背景が異なることもあって意見が合わず,調査票をまとめ上げるのは非常に苦労した.それでもNominal Group Discussionなどのコンセンサス取得技術を駆使し,なんとか最終ドラフトをまとめて,今年の3月13日にWeb調査のシステムにアップロードすることができた.その後,リハビリテーション医学会の何人かの先生にもご協力いただき,現在35カ国からほぼ200件の回答を得ている.ニューロリハビリテーション医学の調査ではあるが,回答の大半が各国のリハビリテーション専門医からであったので,COVID-19下でのリハビリテーション医療の実態も知ることができたと感じている.Preliminaryな検討の中で得られた知見で興味深かったのは,COVID-19の合併症として最も多くの回答が寄せられたのが,筋痛と筋の易疲労性であった(79.1%)ことである.また,脳血管障害が合併症として報じられることが多いが,ギランバレー症候群を経験したという回答も多く,中枢神経のみではなく,筋・末梢神経まで神経系の幅広い範囲にCOVID-19が影響を及ぼすことをあらためて認識させられた.
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