リハニュース【REPORT】
障がい者スポーツとリハビリテーション科医—チームドクターへのアンケート調査から
日本リハビリテーション医学会 社会保険・障がい者福祉委員会
pp.74-76
発行日 2018年1月18日
Published Date 2018/1/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け,障がい者スポーツへの社会の関心が高まっている.トップアスリートの強化はもちろんのこと,人材発掘のイベントや,初心者を対象とした体験会などが開催され,これまでスポーツと触れる経験の少なかった障害当事者が新しい一歩を踏み出す環境がこの数年で大きく改善している.医療の中でも医師の立場から患者・障害当事者を支援することで障がい者スポーツの振興に貢献したいと考える人が年々増えている.日本障がい者スポーツ協会は障がい者スポーツ医を養成するために講習会を開催しているが,年々受講希望者が増加していることからも関心の高まりを知ることができる.
一方,障がい者スポーツの実践における医科学的な知見の蓄積は必ずしも十分とはいえず,医学にとって障がい者スポーツには未知の領域が多いのが実情といえる.また,障がい者スポーツと触れる機会のある医師は現状では限られていることから,関心の高まりとは相反して「そもそも医師はどのように障がい者スポーツとかかわることが期待されるのか」という戸惑いを感じる医師も多いのではないだろうか.
障害保健福祉委員会では日本リハビリテーション医学会内での障がい者スポーツについての啓発の一環として,現在すでに障がい者スポーツにかかわっている会員にアンケート調査を行うことで,そのかかわりの一端を明らかにすることを企画し,本稿ではその結果を報告する.今回は,各競技のチームドクターを務める医師から日頃のかかわり方や,感じる問題点などについて情報を収集し,その傾向を分析した.
Copyright © 2018, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.