第49回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/福岡 《会長講演》
リハビリテーション医学:社会参加・職場復帰を目指して
蜂須賀 研二
1,2
1第49回日本リハビリテーション医学会学術集会
2産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座
pp.555-563
発行日 2012年9月18日
Published Date 2012/9/18
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はじめに
2012年5月31日から6月2日の日程で第49回日本リハビリテーション医学会学術集会を,福岡国際会議場・福岡サンパレス(福岡市)で開催した.2011年3月11日に未曾有の大災害と言われる東日本大震災に襲われ,この影響で第48回学術集会は2011年11月2日・3日に延期された.前年度の学術集会が終了する前に並行して本学術集会開催を広報し準備を進めなければならず,さらに前年度学術集会終了後2カ月で本学会の演題募集を開始するなど,異例ずくめであった.しかし,蓋を開けてみると有料入場者が3,111名と予想以上に多くの会員やリハビリテーション(以下,リハ)医療関係者の参加があり,リハ医学へのニーズの大きさを再確認した.
さて,産業医科大学は産業医学の振興と産業医養成が目的の大学であり,リハ医学の立場からは,勤労者の健康管理や労働災害の予防,障害を生じた勤労者の職場復帰が重要な課題である.リハ医療の現場を振り返って見ると,回復期リハ病棟,脳卒中および大腿骨近位部骨折の地域医療連携,介護保険などの制度やシステムの確立につれて,リハ医療がパッケージ化され,在院日数の短縮,病院機能の分化,介護サービスの選択や配分に視点が移り,社会参加を念頭に置く個別的なリハ・アプローチや,職場復帰を目指したテーラー・メードな対応は必ずしも十分ではない.そこで「社会参加・職場復帰を目指して」を主題として学術集会を開催し,これまでのリハ医学の教育,臨床,研究の経過を振り返り,適切な診断と病態解明および社会参加と職場復帰への試みを述べる.
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