第48回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/千葉 《パネルディスカッション》内部障害者の運動効果とスポーツ参加基準―座長/田島 文博
心臓・循環障害者の運動効果とスポーツ
牧田 茂
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1埼玉医科大学国際医療センター心臓リハビリテーション科
pp.408-413
発行日 2012年7月18日
Published Date 2012/7/18
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はじめに
障害者(肢体不自由,知的障害,内部障害等)は運動不足により心肺フィットネスの低下を生じ,生活習慣病をきたしやすいと考えられる.これらを予防するためには,単に運動機能障害の訓練のみでなく,全身持久能力向上という視点から,スポーツなどの身体活動を積極的に行うことが健康増進と生活の質(QOL)向上の点からも望ましい.スポーツの持つ遊戯性や多様性が障害者の意欲と自発性を取り戻し,社会性を獲得するためにも良い手段となる.このように障害者のフィットネス向上と心理的側面からスポーツを実践する意義が挙げられる.
我が国における障害者のスポーツ人口は増加しつつあり,スポーツを行っているものは全障害者の約30%といわれているが,その対象となる障害は,肢体不自由,視覚障害,言語聴覚障害,知的障害が中心となっており,内部障害者のスポーツ参加の実態は不明である.パラリンピックや極東南太平洋身体障害者スポーツ大会(FESPIC)などの国際大会が行われ,種目別にも各種スポーツの国内大会が盛んに行われているが,我が国の障害者スポーツは競技スポーツ偏重の傾向が強く残っており,障害者の健康維持・増進を目的とした健康スポーツやそれを基盤にした市民スポーツや生涯スポーツの裾野を広げていくのはこれからである.
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