第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《教育講演》
和温療法の展開―心不全,閉塞性動脈硬化症,線維筋痛症
鄭 忠和
1
,
窪薗 琢郎
1
1鹿児島大学大学院循環器・呼吸器・代謝内科学
pp.39-45
発行日 2011年1月18日
Published Date 2011/1/18
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はじめに
健常者には心身のリラックス効果や疲労回復に有用である温水浴・サウナ浴は,元来心不全患者には不適で,特に重症心不全では禁忌とされてきた.我々は,1989年に,温熱による血管拡張作用に注目し,遠赤外線サウナ装置を用いた温熱療法を心不全に対する新しい治療法として開発した.癌に対する高温での局所療法と区別し,これまで取り組んできた温熱療法の正しい理解を得るために,「心地よく心身をリフレッシュさせるぬくもり」との意味を込めて,「なごむ・ぬくもり」から造語し,2007年4月に「和温療法:Waon Therapy」と命名した1).和温療法は,「心身を和ませる温度で全身を15分間均等加温室で保温し,深部体温を約1.0~1.2℃上昇させた後,さらに30分間の安静保温で和温効果を持続させ,終了時に発汗に見合う水分を補給する治療法」と定義される.
本稿では,リハビリテーション(以下,リハ)の一手法として,心不全,閉塞性動脈硬化症,線維筋痛症に対する和温療法の有効性を概説する.
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