第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《専門医会》専門医としてリハビリテーション処方はどうするべきなのか―座長/石合 純夫・正門 由久
脳卒中患者の半側空間無視に対する処方
水野 勝広
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1独立行政法人国立病院機構村山医療センターリハビリテーション科
pp.452-458
発行日 2010年7月18日
Published Date 2010/7/18
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はじめに
半側空間無視(以下,無視)は,脳卒中などにより損傷された大脳半球の反対側の空間に対する注意が障害される症候である1).半側空間無視は右半球損傷の患者に多くみられ,その頻度は報告により異なるが18~100%といわれている2).半側空間無視は視野障害とは独立した症候である.リハビリテーション(以下,リハ)上の大きな阻害因子となり,日常生活動作(ADL)の改善を阻み,最終的な機能予後に多大な影響を与える3~7).これまでさまざまなリハ手技が試みられてきたが,多くは机上検査での改善のみであり,ADLを改善させたという報告は少ない8).しかし,実際の臨床では机上検査のみの改善では意義が小さく,時期・期間も回復期リハに組み込めるような方法が望ましい.本稿では無視を合併した脳卒中患者の症例を通じて,リハ処方の実際について考える.
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