第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《専門医会》専門医としてリハビリテーション処方はどうするべきなのか―座長/石合 純夫・正門 由久
リハビリテーション処方をめぐる諸問題―専門医としての観点から―
藤谷 順子
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1国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科
pp.449-451
発行日 2010年7月18日
Published Date 2010/7/18
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処方とは何か
電子カルテなどのことでリハビリテーション(以下,リハ)科医ではない人と話をすると,何か(訓練を)するように指示する項目が処方であると漠然と思っている人がいることがわかる.理学療法士・作業療法士法における「医師の指示」という文言の関係からであろうか,あるいは,薬の処方が薬品名と量・服用時間を記載しているだけだからだろうか.しかし,指示だけがリハ科専門医の処方ではない.
リハ科専門医の処方には,診察・評価結果の要約(問題点リストや障害の構造的記載を含む),目標・基本方針,があった上で,介入内容の指示およびリスク・禁止事項などの記載がある.医師が,訓練の指示にあたり,何を問題点として捉え,それについてどう予後予測し,初期の方針を立てたのかということを伝え,共通認識を持つための情報提供の意味がある.方針などは,専門職である他職種からさまざまな意見が出されて修正することはありうるが,まずは初回診察の結果をまとめるのである.他者に示すだけでなく,考えをまとめ,その後の診療の途上で振り返るためにも有用である.SOAP(Subject-Object-Assessment-Plan)というカルテの書き方が,単にSに始まる形式のことではなく,問題点リストという発想が重要なのと共通するものでもある.
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