第44回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/神戸 《シンポジウム》若年者脊髄損傷のトータルケア―座長/富永 俊克・柳 重行
挙児希望に対するアプローチの実際
百瀬 均
1
,
山田 薫
2
1星ヶ丘厚生年金病院泌尿器科
2泌尿器科山田クリニック
pp.148-150
発行日 2008年3月18日
Published Date 2008/3/18
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はじめに
男性脊髄損傷患者に対する泌尿器科的管理の対象は,下部尿路機能障害と性機能障害の2つであるが,性機能障害は「種の保存」という生命体にとって本質的な機能の障害であるにもかかわらず,患者個人の生命予後には影響しないことから下部尿路機能障害ほど積極的には研究されて来なかった.
しかし,脊髄損傷における急性期管理の成績向上と排尿管理を含めた慢性期管理法の発達を背景として,近年ようやく患者のQOL向上が新しい課題として認識され始め,その重要な要素の1つである性機能に対する研究が活発に行われるようになった.さらに近年の生殖医療技術の急速な進歩が加わり,男性脊髄損傷患者の性機能障害に対する医療は大きく発展した.以下に挙児を希望する男性脊髄損傷患者に対するアプローチについて,われわれの経験を中心に概説する.
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