連載 FOCUS
無精子症患者での挙児手段
慎 武
1
,
小堀 善友
1
,
岡田 弘
1
1獨協医科大学越谷病院泌尿器科
pp.1011-1015
発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200003
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はじめに
顕微授精(intracytoplasmic sperm injection : ICSI)技術1)の確立・普及によって,男性不妊の多くの症例で授精,妊娠が可能となり,従来は絶対不妊とされていた無精子症においても精巣精子採取術(testicular sperm extraction : TESE)により得た精子を用いて挙児を得ることが可能となった.通常,射精障害や閉塞性無精子症に対してはconventional TESE(c-TESE)が,非閉塞性無精子症に対しては顕微鏡下精巣精子採取術(microdissection TESE : MD-TESE)が施行される.顕微授精が標準治療となりつつあるmodern ARTの時代においては,精子の供給が可能であれば挙児のチャンスがあるといえる.射精液中に精子が存在しない無精子症患者に対する治療としては,男性不妊治療としての泌尿器科的アプローチが大きな役割を担ってくる.本稿では,無精子症患者に対するマネジメントについて,診断および治療を中心に解説する.
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